以前このブログにも書いたとおり、4月のはじめにこんなお話をしてきました。
スライドはこちらです。
www.slideshare.net
4 月中は何かと忙しくこの記事を書くまで 1 ヶ月以上開いてしまいましたが、トークの構成を考える際に書いた Markdown を再利用する形でトーク内容を説明していきます。
長くなってしまったので、2 記事に分割します。
内容の一部は先の記事を読んでいることが前提になっています。 まだ読んでないよ、という方は先にこちらを読んでみてください。
目次
どうして「組織をつくるスペシャリスト」になろうと思ったのか
「組織をつくりたい」と思うまで
もともと入社当時から「強いエンジニア組織を作りたい」という想いを持っていました。 その動機を「欲求」というべきレベルまで分析してみると、次の 2 つに分解できました*1。
- 自己顕示欲
- 「自分のいる組織、こんなにイケてるんだぜ?」ってドヤりたい
- エンジニア(という生き方をしている人)が好き
- エンジニアが「不」を被るのが嫌
- エンジニアには幸せでいてほしい
一方で、当時はシステムも環境も技術的にレガシーな部分が目立ち、多くの問題を目の前にしてフラストレーションが溜まっていました。 そんな状態に悩み、一時期は別の環境に移ろうかとさえ考えました。
しかし、あるときから「別の環境に移った先でも同じことが起こるかもしれない。それよりも、自分が環境を変化させる力を身に付けられれば無敵なのでは?」という考えに切り替えるようにしました。 きっかけははっきりと覚えていません。 それくらい緩やかな変化だったのだと思います。 ですが、それ以降は逆に現状をモチベーションに転換できるようになったことは覚えています。
余談ですが、この考え方については賛否両論あるでしょう。 実際私はこの考え方に囚われ過ぎるのは危険だと思っています。
私の場合は
- 成長することも動機のひとつであったこと
- 「環境を変えること」については比較的やりやすい環境であったこと
が功を奏して上手く行ったに過ぎないと思っているので、再現性はありません。 なので他人にも強く勧めることもしません。
「スペシャリストとして」それをやろうと思うまで
さて、そんな想いをどのように実現していけばいいのでしょう。
入社して 1〜2 年の間は私自身の強みを
- 「良いコード」を書くことに対する強い興味・関心
であると自覚し、実際に「品質も高いコードを早く書く」ことを実践していました。
しかしこの強みと「強い組織を作りたい」という想いの実現とは直接結びつきません。 その状態から「組織づくりをするならマネジメントをやっていく必要があるだろう」と考え、私はマネジメントのキャリアパスを志望しました。 結果、その領域で自分の動機・強み・求められることが上手くマッチせずにしばらく伸び悩みます。
この状態を打破したのが当時会社にいた先輩の姿でした。
その人はスペシャリストでありながら、その専門性を持ってチームを先導しており、まさに組織の文化を作っていたのです。 私はその姿を見ているうちに「『組織を作るスペシャリスト』がいてもいいのだな」ということに気づくことができました。
それ以降の私は「スペシャリストとして組織を作ること」を目標に掲げるようになります。
そのために何をしてきたのか、しているのか
そのために何ができるのか、自分の強みを改めて棚卸ししてみました。 学生時代の経験まで含めて考えると以下のような強みが浮かび上がってきました。
- 「良いコード」を書くことに対する強い興味関心
- 学生時代、研究室つながりの友人どうしで開催していた勉強会
- 実験レポート/論文で培った、他人に説明するための文書を作成する力
- 研究室のゼミ・学会発表による人前で話すことへの慣れ
- 文化祭実行委員会の経験によるイベント運営のノウハウ
ひとつひとつは「スペシャリストとして組織を作ること」に繋がるとは考えにくいかもしれません。
しかしこれらを組み合わせると、やれることが見えてきます。
具体的には
- 「良いコード」を書くことに対する強い興味・関心
- 実験レポート/論文で培った、他人に説明するための文書を作成する力
を組み合わせて、チーム全体のコーディングに関する観点を上げていく活動をしたり、そこに
- 研究室のゼミ・学会発表による人前で話すことへの慣れ
を加えて、社外のイベントで登壇*2したり、あるいは
- 学生時代、研究室つながりの友人どうしで開催していた勉強会
- 文化祭実行委員会の経験によるイベント運営のノウハウ
を組み合わせて会社主催のイベント・勉強会を開催したり、といったことが挙げられます。
このようにして、自分の強み(CAN)を組織づくり(WILL)に活かすことで、組織/会社にとって価値を出せる(MUST)ようになりました。
後編ではこれらから一般化できる部分を抽出して「自身のキャリアパスを見つけるヒント」について書きたいと思います。
*1:実は他にも「自身が成長できること」という欲求もあったのですが、今回のお話には直接つながらないので省略
*2:その一例 https://www.slideshare.net/ShoheiOkada/laravel-90603762